News お知らせ

当事者意識を持つこと

2011.03.31



今、北東アジアにおける日中韓協力をどう推進していくかを考える
国際会議に出席するため、シンガポールに来ています。
主催は南洋理工大学孔子学院で、フォーラムの名称は 「SingPeaceChina-Japan-Korea」といいます。
ぼくは日本側の代表として、中国代表の人民解放軍少将羅援さんと一緒に行きました。

会議は一日でしたが、会場には現地の英文メディア『TheStraightTimes』や
中文メディア『聯合早報』の編集長や記者たちを含めた200人くらいが駆けつけ、盛況でした。
参加した後の感想は2つ。

ひとつは、シンガポールという、東アジアの国際政治にとっては第三者的な ポジションにつける都市国家が、
日中関係や朝鮮半島の動向に非常に関心を 持っていること、通商国家として、
国を不断に開き、洗練されたヒト、モノ、情報、
カネを引き寄せることによって生きていくしかないシンガポールにとって、
地域の安定と繁栄はまさに核心的利益なんだ、ということを肌で感ずることが
できたのは大きかった。

ふたつに、参加者や観衆、メディア関係者も含め、日本を襲った地震・津波、
その後の原発問題に非常に関心を持ってくださっていて、
「今こそ世界がひとつになって日本をサポートすべきだ」という雰囲気で会場が満ちていた。
自然災害が多発する傾向にあるこの時代、各国共にどう協力しながら
危機管理を進めていくか、エネルギー供給という視点から、原子力とどう向き合って
いくのか、皆さん真剣に考えておられた。
本会議は3月11日前に、全ての企画・アジェンダが決定していたが、
前日夜のウェルカムパーティーで司会進行の方から、
「加藤さん、明日は貴国を襲った地震も扱いますよ。ぜひ冒頭で問題提起し、国民の様子や
政府の取り組みなどを発信してください」と言っていただいた。全ての参加者が同意してくれ、
僕のほうに寄りそい、肩を抱きかかえてくれた。
こう見えて意外に涙もろいぼくは、思わず泣いてしまった。
世界が日本の現状を見つめてくれている。
当事者意識を持って考えてくれている。

週末にシンガポールの市内をランニングしながら回った。
日本の被災地のための募金活動が各地で開催されていた。
みんな自費を出し合って、統一のユニフォームやポスター、募金箱を作成し、
大人から子供まで、シンガポール市民から駐在する華人、欧米人、アラブ人、
そして日本人を含め、みんなが心をひとつにして、日本のために汗を流してくれていた。
涙もろい僕は、走りながら、大泣きしてしまった。

人は海外に出ることによって、お国のことをより真剣に、当事者意識を持って考えるようになる。
そして、当事者意識は国境を越える。
民族を超える。
価値観を越える。
政治体制を越える。

世界の平和と繁栄を少しでも長い間持続させ、推進して行くための第一歩。
全ての地球人にとって、それは「当事者意識を持つこと」からであるという思いが、
シンガポールの美しい夜景を見つめながら、どことなくこみ上げてきた。


2011年3月27日 シンガポールマンダリンオーチャードホテルにて

「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」刊行記念 講演会&サイン会

2011.03.25

加藤嘉一著:「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」の 発売に際しまして、
4月7日(木)に 三省堂書店神保町本店 8階特設会場 にて、講演会&サイン会を行います。

【日時】
2011年4月7日(木) 開場:18:30 開演:19:00

【会場】
三省堂書店神保町本店 8階特設会場
※8階特設会場へは、正面入口(靖国通り)側エレベーターにてご来場ください。

三省堂書店 公式ブログ ↑詳しくはこちらから

「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」

2011.03.24

加藤嘉一著の 「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」 が
ディスカヴァー・トゥエンティワンより発売となりました。

中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか

「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」

また、発売に際して、本人よりご挨拶と本の紹介のコメントデータを Youtubeにアップロードしました。
是非、ご覧ください。

中国コンテンツビジネス・カンファレンス

2011.03.07

2011.3.14(月) 16:10~17:30
東京 ベルサール飯田橋ファーストで行われる
「中国コンテンツビジネス・カンファレンス~電子書籍・コンテンツの中国市場近未来~」
にパネリストとして加藤嘉一が参加します。

「中国市場から見た日本コンテンツの魅力と可能性」をテーマに、メディアコンサルティングで
活躍中の吉良俊彦氏とスペシャルセッションを行います!

無料(事前登録制)です。是非ご来場ください。
お申込は こちら です。

東京六本木のミッドタウンで思う

2011.03..4



皆さんこんにちは。しばらくブログ更新しないでいました。
アラブ・中東情勢などで忙しくしていました。日ごろ中国を中心にウォッチしているのですが、
アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ、ロシア、東南アジア、朝鮮半島、そして日本を含め、
世界のどこかで問題が起きると、ほぼ100パーセントと言って良いほど、
チャイナシュー・ファクターに絡んでくるんです。
ヒト、モノ、カネ、情報、どの視点から見ても、中国の国際政治におけるプレゼンスがそれだけ
高まっているということですね。僕もなかなか休めなくて困っています。泣

先日東京六本木のミッドタウン付近で友人と昼食を食べました。
とても美味しい四国料理のお店で、東京にもこんなにアットホームで美味しいお店があったんだと
感動していました。
お昼過ぎに仕事があったので、11時25分にはお店に着いたのですが、 なんとまだ閉店中、11時半からとのこと。
友人や店員さんから聞かされて驚きました。 日本の会社では、大企業を中心に、
12から13時しか お昼の休みがないようですね。
しかも、この時間帯が固定されている。
午前中の仕事が早く終わっても12時まで席にいなければならない。
そして、13時には席に 戻っていなければならない。
一部を除いて、すべての企業が同じ時間帯で同じ動きをするから、 当然お店は混雑する。
貴重な1時間の20分くらいを列に並んだりして浪費してしまうのです。
お店にとっても困る。
お店からすれば、当然11時ー14時半くらいまでお店を開いて、 この時間中は、常に平均的に、
キャパシティー内で、お客さんが平均的に来てくれるほうがいい。

僕は友人と店員さんに語った。
中国では12時ー13時なんていう決まりはない。
オフィス街にある企業のトップ同士で話し合い、食事に行く時間を微妙にずらしている。
業種によって、「うちは11時半」くらいには食べたい。「うちは14時ころでもいい。
むしろそのくらいのほうが好都合だ」、「うちはセオリーどおり12時ー13時がいい」。
当然、各企業ごとに事情は異なるわけで、効率よくランチタイムをアレンジすることで、
列に並ばなくて済む。
お店としても、11時 - 14時半まで、同じスピードで、同じ混み具合で ランチタイムを終えることが出来る。

この話を、ある日本の会社のトップにしてみた。
そうすると、「日本企業はトップが社員を完全に コントロールしたいんだよ。
あとは、横並びだから、お得意先やクライアントから電話が かかってきて、
自社の社員が席にいて電話を取れないと、信用問題に関わるから」。
会社にはチームワークや連帯感などが大切なのは、日本の社会では特に顕著なのだろう。
ただ、僕からいわせれば、社員一人一人が自己責任と自己管理の名の下で、最適と思われる
時間帯を能動的に判断し、外に食事に出るのが最も合理的だと思う。
クライアントに関してだって、社員一人一人お客さんは違うんだから、
それぞれ自己責任で相手と やり取りすればいい。
お昼の時間に外でクライアントと会ったっていいじゃないか。
社長がそこまで管理できるのだろうか。
幻想でしかない。
社員が会社に忠誠心を持って、全力を尽くしているかを判断する基準は、
12時まで席にいて、13時には席に帰ってくる動きではない。
業務の結果である。
業務の結果さえ しっかり出していれば、それで良し、あとは社員一人一人に任せる、というのが真の意味で会社と
社員の間で信頼関係を醸成する方法ではないのか。

もちろん、中国のように、出勤時間から服装まで、全てが自由すぎて、社員が仕事中にチャットを するなど怠けたり、
離職率が高くなったりするのは問題だが、日本企業はもう少し肩の力を抜いて、
合理性・結果主義という大義名分を以って、会社と社員との関係をもう一度洗いなおすべきだと、
ミッドタウンを眺めながら、心から思った。


2011年3月3日